ケガの治療中でもできることがある。「患部外トレーニング」という考え方

ケガをして練習を休むことになったとき、多くの選手が感じるのは、身体の痛みだけではありません。「みんなは練習しているのに、自分だけ何もできない」「戻ったときに置いていかれていたらどうしよう」。そんな焦りや不安を抱えながら、治療の期間を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
こんなことはありませんか?
練習には参加しているけれど、見ているだけで終わってしまう
何をしてよいか分からず、家で過ごしている
自己流で筋トレをしているけれど、患部に響いていないか不安
ケガをした部位を休めることは、もちろん大切です。ただ、休んでいる間にも、できることがあります。今回は、ケガの治療中に取り組める「患部外トレーニング」という考え方を、理学療法士の立場からお伝えします。
1. 患部を休めることと、全身を休めることは違います
ケガをした部位(患部)は、主治医の方針に沿って、しっかり休ませる必要があります。
一方で、ケガをしていない部位まで、すべて動かさずに過ごす必要はないことも多くあります。
治療の期間が長くなるほど、ケガをしていない部位の筋力や体力も落ちていきます。そうなると、患部が回復しても、全身の状態が整っていないために、競技への復帰がかえって遅れてしまうことがあります。
2. 患部外トレーニングとは
患部外トレーニングとは、ケガをした部位に負担をかけないようにしながら、それ以外の部位の筋力や体力を保つためのトレーニングです。
たとえば、足首をケガしている場合は、上半身や体幹、ケガをしていない側の脚を中心に。肩をケガしている場合は、下半身や体幹を中心に、といった考え方です。
ただし、ケガをしていない部位のトレーニングでも、姿勢や動かし方によっては、思わぬ形で患部に負担がかかることがあります。「どの動きなら患部に負担がかからないか」を見極めることが、患部外トレーニングでいちばん大切なポイントです。
3. 気持ちの面でも、意味があります
ケガで練習に参加できない時間は、チームから離れてしまったような孤立感を感じやすい時期でもあります。
練習の場にいながら、自分にできるメニューに取り組めると、「自分も前に進んでいる」と感じられます。仲間の練習を見ながら、自分の身体と向き合う時間にすることもできます。こうした時間が、復帰に向けた気持ちを保つことにもつながります。
4. 気をつけたいこと
主治医の方針が最優先:患部外トレーニングを始める前に、主治医に「ケガをしていない部位のトレーニングをしてもよいか」「避けたほうがよい動きはあるか」を確認してください。
痛みが出たらすぐに中止する:トレーニング中や翌日に、患部に痛みや腫れが出た場合は、すぐに中止して主治医に相談しましょう。
頑張りすぎない:早く戻りたい気持ちから、つい自己流で頑張りすぎてしまうことがあります。焦る気持ちは自然なものですが、今の自分の身体に合った内容と量を選ぶことが、結果的に早い復帰につながります。
5. TAYO WORKSができること
TAYO WORKSでは、理学療法士が主治医の方針を確認したうえで、患部に負担をかけずに取り組めるトレーニングを一緒に考えます。
ご自宅だけでなく、練習場所に伺うこともできるため、部活動に参加しながら、その場で取り組めるメニューをお伝えすることもできます。ケガの種類や時期、競技の特徴に合わせて、「今できること」を見極めていきます。
たとえば、足首をケガして走れない時期。チームがランニングのメニューをしている間に、コートの端で、座ったままや寝た姿勢でできる体幹や上半身のトレーニングに取り組む。練習の流れに合わせて、その日にできる内容を組み立てていきます。
医療機関での治療に代わるものではありません。治療と並行して、競技に戻るための土台を保つお手伝いをする位置づけです。どう取り組むかを選ぶのは、いつも選手本人です。
6. 保護者の方へ
ケガをしている時期のお子さんは、焦りや不安を口に出さずに抱えていることもあります。「今できることがある」と知るだけでも、気持ちが少し前を向くことがあります。
保護者の方が日頃から見ておきたいポイントは、お子さんのスポーツでのケガ、何を見ておけばいいですか? 保護者の方へでまとめています。
よくある質問
Q. 主治医には、どのように聞けばいいですか?
A. 「ケガをしていない部位のトレーニングをしてもよいか」「避けたほうがよい動きや姿勢はあるか」「いつ頃からどのくらい動いてよいか」の3点を聞いておくと、取り組める内容が判断しやすくなります。
Q. 部活の練習に参加しながらでも取り組めますか?
A. はい、内容によっては可能です。練習の場で取り組めるメニューを一緒に考えることもできますので、チームの指導者の方とも相談しながら進めていきましょう。
Q. 中学生・高校生でも利用できますか?
A. はい、ご利用いただけます。18歳未満の方は、保護者の方の同意が必要です。ご予約・ご相談の際に、公式LINEで同意書をお送りします。
まとめ
ケガをした部位を休めることと、全身を休めることは違います。主治医の方針を確かめたうえで、ケガをしていない部位の筋力や体力を保っておくことが、復帰をスムーズにする土台になります。
練習を休む時間を、「何もできない時間」ではなく、「今できることに取り組む時間」にしていけたらと思います。
動作分析の考え方については学生アスリートのパフォーマンスが伸び悩むのはなぜ?理学療法士が行う「動作分析」でわかること、治療が終わった後の部活への戻り方については整形外科のリハビリが終わった後、部活に戻る前に知っておきたいことでも紹介しています。
今の状況でできることを知りたい方は、公式LINEからお気軽にご相談ください。




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